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最近ではパソコンを使ったノンリニア編集も一般的に知られるようになり,趣味や仕事で利用している人も増えてきた。特にDVカメラの登場以後,一般の人でも高画質なビデオ映像を扱えるようになったこともあり,DVでノンリニア編集をする人は今後も増え続けるだろう。しかし,始めてみようと思ったものの,どこから始めたらよいか分からなくて困っている人や,始めてみたもののいろんな璧にぶつかっている人も結構いると思う。 「どんな機材を揃えたらよいか分からない」とか「ビデオ撮影のコツがわからない」,「パソコンで作ったデータをノンリニア編集で生かしたいが・・・」など,一歩進めばまたそこに一つの悩みが生じてくる。そこで,今回から数回(3回を予定)に渡って,DVノンリニア編集を仕事で生かせるように,機材導入,失敗しないカメラ撮影法,効果的な編集方法などを順序立てて解説していくことにしよう。 |
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4種類あるDV ■DVフォーマットの種類 |
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DVには一般の民生用DVカメラに採用されているDVCと,それを業務用に拡張したソニーの「DVCAM」,松下電器産業(Panasonic)の「DVCPRO」と「DVCPRO50」の4種類がある(表1)。DVCとDVCAM,DVCPROの映像信号はYUV=4:1:1でサンプリングされ,圧縮率は1/5だ。したがって,これらは信号的にはまったく同じである。 違いは,信号をテープに記録する際の記録法方だ。業務用に拡張したDVCAM,DVCPROは記録するテープの回転数を上げ,記録するトラック幅を広げることで録画再生の信頼性を高めている(図1)。 |
図1●DVテープのトラックパターン![]() |
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注意したいのはDVCAMとDVCPROのテープ速度(記録トラック幅)が違うので2つのテープに互換性がないことだ。DVCPRO50はDVCPROをさらに拡張させたもので,映像信号をYUV=4:2:2でサンプリングし,1/3.3に圧縮している。この場合,テープヘの記録方法はDVCPROと同じだ。このDVCPRO50は放送用で使用されているデジタルベータカムのYUV=4:2:2,1/2圧縮の画質とほぼ同等であり,放送レベルの機材としてはコスト的に安価なので,最近プロダクションでも注目されている。 ■必要な機材にはどんなものがあるか コストがそれほどかからないといっても,必要な機材は多い(図2)。まず,映像撮影のためのDVカメラが必要になる。そして,この映像をノンリニア編集するためのハードウエアとしてパソコン本体とDV入出力ボードが必要だ。 |
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表1●DVフォーマット比較表 一般的な使用ならDVで十分だろう。
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図2(右)●システム構成 |
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撮影機材の選び方と撮影の心構え ■DVカメラの選択のポイント ビデオカメラにはアナログ記録方式の「Hi8」やディジタル記録方式のDVがある。ここでは当然DVカメラを選ぶことになる。民生用のDVカメラは一般的にDVCという記録方式を使っている。しかし,ハイエンドの民生機にはDVCAMやDVCPROといった業務向けのフォーマットを使ったものがある。これらは,その機種専用のフォーマットでのみ記録されるので,撮影後に一般のDVC機器では再生できなくなる。映像業務を専門に考えている人は,使用するほかのDV機器や納品形態により選択肢の一つに挙げてもいいだろう。しかし,趣味やインハウスで使用する場合は一般的なDVC対応のカメラを選択するのが無難だろう。 |
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![]() 図3●画素数の概念図 |
![]() 図4●3原色分解型プリズムと3CCD方式 |
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![]() 図5●DCR-VX1000(ソニー) |
![]() 図6●DCR-TRV900(ソニー) |
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![]() 図7●DSR-PD100(ソニー) |
![]() 図8●XL1(キャノン) |
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日経CG1999年9月号 |