映像制作


●編集とエフェクト

 編集の際は、入力したデータをVideoトラックにドラッグしていく。図15のようにV1とV2にドラッグしデータがクロスした場合、自動的にFXトラックにクロスディゾルプが現れる。そしてこのクロスディゾルブの長さはけっしてV1とV2にドラッグしたデータのクロスした長さよりもはみ出さないようになっている。この辺のところは、すごく感心させられた。プレミアの場合などでは、グリッドになっているからと安心していると、エフェクトの長さが1フレーム短かったり良かったりする場合がある。そのため、1フレームの変な画像が入ってしまう場合などがあった。それを防止するには、編集後に1フレーム単位で入念に最初から最後まで見なければならないからだ。
 さて、先にも述べたようにビデオアクションNTの特長は際だった特珠エフェクトを数多く搭載している点にある(図8、図9〕。これらのエフェクトの設定値を変更するには、エフェクトをダブルクリックすればよい(図16)。このTransition ViewerではエフェクトをPreview画面で確認しながら設定値を変更できる。また、エフェクトをカスタマイズすることや、それらをグループとして登録することもできる(図17、図18)。


図15●ビデオアクションの全体


図16●Transition Viewer


図17●Transition Wizard

図18●Create New Custom Transitionグループ

●エフェクトアクセラレーターPFX

 さて、ここでPerception Effect Accelerator(PFX)FX−2500の登場である。このPFXはオンボードにDSPチップを搭載しており、平均的に1秒のエフェクトに60秒の処理時間がかかるものを10秒以下にすることができるといううたい文句である。さっそく、いくつかのエフュクトを実験してみることにした(表2)。
 表2からもわかるように3秒のエフェクトに対し約23秒である。これは1秒のエフェクトに対して約8秒という結果だエフェクトが違うので一概にいえないが、筆者の知っている限りではアクセラレータースピードはMedia100と同等の性能をもっており、現投階ではトップクラスといえるだろう。ところで、TARGA2000あたりだと約10〜15秒である(リアルタイムマシーンは除く)。
 今回の渕定はあくまでPFXに対応したエフェクトの場合である。基本的に現段階では2次元のエフェクトに効果があり、3次元には効果はないようだ。
 話はついでということで、プレミア4.2でのテストも行ってみたので参考にしてほしい(表3、図19)。


表2●FX−2500によるエフェクトの短縮効果


表3●FX−2500によるアドビ・プレミアのエフェクトの短縮効果


図19●アドビ・プレミアでは、効果付きのエフェクトとそうでないものが、このように現れる。

●タイトルジェネレーター

 さて、ノンリニア編集ソフトになくてはならないのが、タイトルジェネレーターである。ビデオアクションNTの場合、文字の周りのエッジ(Border)付けや、グラデーション、またライトを当てる方向を変えることで影の向きも変えられる。ただしこれはあくまで影の向きだけである(図20)。
 肝心の日本語のほうであるが、EnterTextでは文字化けを起こしているが、変換キーを押すとちゃんと変換されて出力される(図21)。ただし、漢字が何種類もある場合、思っていた漢字が表示されるかは定かでない。なぜこのようなことになるかというと、このソフトはいちおう2バイトのキャラクタトコードとして書かれているので、漢字の表示もできるのだが、さすがに日本語化まではされていないからだ。しかし、輸入代理店のエムアンドアイネットワークによると、次期バージョンでは日本語にも完全に対応させるそうだ、)それまでは、なんとか使えるだろう。


図20●Title Bitmap Generator(E)

図21●Title Bitmap Generatorに日本語を入力した場合

●EDL出力

 ノンリニア編集機をオンライン用のオフライン機として使用したい人もいるだろう。そのような人のためにEDLの人出力も備えている。ただし、EDLは一般的なものとCMX3400用に限られる(図22、図23)日本の場合はソニーが主流だかららょっとつらい。ただし、スイッチャーに読み込む機能があればよい。


図22●Expont to EDL

図23●EDL
■最後に

 さて、さっとバンドラの標準システムとオプション糸を見てきたわけだが、気になったことがいくつかあった。1つはボードが多くてスロットがほぼいっぱいの状態になっているということだ(写真1)。今回のバンドラはPCI×4(フルサイズ)、ISA×2(フルサイズ)のバスをもっているが、これに各機能をもったDSPボードも載せた場合、ビデオボードとPVRとA4VでPCIバスが3つつぶれ、PFXでISAバスが1つつぶれる。残りはPCIバス1つとISA1つだが、PVRは隣接のバスにくっつさすぎているので、PCIまたはISAのバスが使えなくなる。仮に、PCIバスを1つ残した場合、オプションでSCSIカードを差せば満杯になってしまう。つまり、イーサネットカードやオプションのシリアルD−1カードは使えなくなることになる。
 ただし、今回は試用バージョンなので出荷時にバンドラのシステムがスロットの多いものに変更される可能性もある。ただ、一般的なマザーボードは多くてもPCIが5つ、ISAが2つである。つまり、すべてを満点するには、イーサネットまたはSCSIをオンボードでもっている必要性が出てくる。すべてを搭載したい人がいるかはわからないが、やはりイーサネットとSCSIは欲しいところだろう。
 ちなみにパネル裏面を見るととてもすごいケーブルの山となっている(写真2)。ここまでくると、やはりジャンクションBOXが欲しい気もする(余談だが、DSPではBOX型のデッキみたいなPerceptionを開発しているといううわさもあるようだ)。
 さて全体を適しての感想だが、システム全体は性能、画質、操作性など、いまあるインテル系マシーンとの組み合わせとしてはとても優等生だと思った。DPS製のシステムを輸入元のメメックスにてアフターケアしてくれるし、インターネット、上でドライバーのアップデートなども敏速にやってくれるので安心だ。
 ただ、気になるのは、これらをシステムにした場合のコストパフォーマンスである。いわゆる売値がどのくらいになるかという点だ。バラバラのほうが得か、セットのほうが得か・・・?しかし、値段だけが損得でもないというのも現状である。安くはないとしてもしっかりとしたアフターフォローをしてくれたほうがありがたい人もいるだろう。法人ならそんな場合が多いだろう。それは人それぞれかもしれない。筆者の意見としては、このような商品はしっかりとしたアフターフォローを売りにされたほうがいいような気もするが、2月下旬ごろに発売されるころにはバンドラはどういった形で営業展開されるのだろうか?


写真1●満杯状態のスロット


写真2●パネルの裏面から出ているケーブルの山


 追筆、この3月号が発売されるころにはすでにマックワールドエキスポも終わっているかもしれない。マック版LightWave3Dの人気はきっとめちゃくちゃハイになっていることでしょう。というわけで、近々マック版LightWaveのご報告を致します。
http://www.b-artist.com

ビデオアルファ1997年3月号