映像制作


●精密なカラーコレクション(図5)

 discreetシステム製品と100%互換(インポート/エクスポート)のカラーコレクションは、カラーバランス、明るさ、コントラスト、レベル、ガンマ、イコライズ、ティント、カーブ、シャドー/ミッドトーン/ハイライト調整を容易にコントロールできる。また、異なるソース・イメージ同士を正確に自動カラーマッチングする機能なども搭載されている。


図5●精密なカラーコレクション。他のdiscreetシステム製品と100%互換(インポート/エクスポート)可能となっている

●inferno譲りの正確なモーショントラッキング(図6)

infernoなどの上位システムから受け継いだポイント無制限のトラッキングツールにより、正確なトラッキング計算が可能となっている。位置、大きさ、回転を分析し、隠れたオブジェクトやスクリーン外の動きを自動的に推定計算する。ここで計算されたトラッキングデータは、infernoなどのdiscreet製品と互換があり、設定の共有が可能となっている。また、ASCIIデータでエクスポートすれば、他社製品でもトラッキングデータを使用することができる。  このほか、カメラプレや揺れなどを除去する正確なスタビライザーも搭載されている。


図6●infernoなどの上位システムから受け継いだポイント無制限のトラッキングツールにより、正確なトラッキング計算が可能

●3D Studio Maxとのコンビネーション(図7)


図7●combustionは同社の3D CGアニメーションソフト3D Studio Maxとのコンビネーションで、高次元のエフェクトツールとして使用することが可能

 combustionは3D Studio Maxとのコンビネーションで、高次元のエフェクトツールとして使用することができる。また、combustionを3D Studio Maxの最終工程に使用すれば、3D Studio Maxですべてのエフェクト効果をかける必要がなく、手直しの際、Maxですべてをやり直す必要がなくなるので、作業効率を上げることが可能だ。  このときの3D Studio Maxのレンダリングファイル形式にはRLA、RPFを使用する。これらのファイル形式にはレンダリングされた画像データのほか、3次元のデータやチャンネルインフォメーションが記録されている。たとえば、RPF形式でレンダリングしたファイルをcombustionにインポートし加工することで、combustion上でRPFファイルに対して3Dフィルター(3D Fog、3D Depth of Fild、3D Lens Flare、3D Glow)をかけたり、3Dモーションプラーを適用することができる。また、RPFファイルに対して正確にUVマッピングを施すこともできる。  このほか、Studio Maxのカメラアニメーションをcombustionのカメラアニメーションに適用したり、RPFファイル内の任意のオブジェクトを配置変更したり、削除したりすることもできる。  3D Studio Maxとのコンビネーションは、3D CG制作に幅をもたせてくれるとともに、UVマッピングをうまく活用すると、映像合成でも非常に奥深い効果を期待できる。

●editとの統合

 combustionは画像の合成に特化しているため、長尺の映像編集には向いていない。 この場合、discreetの編集ソフト「edit」を使用することで作業効率がアップする。  たとえば、「edit」で編集中にビンウィンドウからの素材をcombustionに直接インポートして合成作業を行い、その結果を「edit」のビンに直接レンダリングすることができる。  また、「edit」のプログラムタイムライン上の一定区間(時間)を指定して、combustionにインポートすると、そのレイヤー構造を保ったままインポートが可能で、それをcombustionで加工し、さらに同じタイムラインに戻すことができる。.nと「edit」は、双方のインターフェースで呼び出すことができる。


 さて、今回はcombustionの概要を簡単にお話したが、使用していて感ずるのは、インターフェースがinferno譲りであり、高級なものを扱っている気持ちになり、なかなか心地よい。  また、機能面でも高度なキーイング、マットコントロールが可能なことと、正確なトラッキングができることはcombustionの大きな目玉といえる。そのほか、多くの機能が搭載されているが、近日中に、さらに詳しいレポートをお届けする予定だ。


discreetの上位製品であるinferno、flame、flintなどのインターフェースを受け継いで操作性に優れているとともに、見た目にも非常に高級感がる

combusionには、inferno譲りのブルー/フリーンスクリーンキーイング、マットコントロールツールであるdiscreet Keyerが搭載されており、非常に高度なキーイングとマット作成が可能だ
価格:¥49万8000、¥15〜28万(paint/effectからのマイグレーション)
問い合わせ先(正規販売代理店):[Win版]住商エレクトロニクスTEL03(5228)5565、ニチメングラフィックスTEL03(5423)5531、レイTEL03(5410)194、フォトロンTEL03(3486)3471、シリコンスタジオTEL03(5428)0550、Too TEL03(3461)0251
[Mac版]Too TEL03(3461)0251
ビデオアルファ2000年9月号