映像制作


■MAYA(エイリアス・ウェーブフロント)

 エイリアス・ウェーブフロント社の次世代3Dアニメーションソフトウェアが「MAYA」(図9)だ。MAYAは2年以上もの月日を費やして開発されたが、当初からの開発コンセプトである「CGによるリアルな表現と容易なアニメーション」を充分満足させ、同社の「PowerAnimator」とは(図10)ひと味違った3DCGソフトを完成させた。キャラクターアニメーションやビジュアルエフェクトに大変革をもたらす3Dソフトウェアに間違いない。
 アニメーション、ダイナミクス、ビジュアルエフェクトの各ツールに加え、機能拡張やカスタマイズも容易であるなど、変革するCG業界のなか、長期的な制作環境にも充分対応するだろう。
 MAYAには多くの機能やパラメーターが備わっているが、それらを操作するためのインターフェースにも磨きががかっている。MAYAのインターフェースはAliasとWavefront系を巧みに融合させ、新たな改良点とともに開発されている。磨さ込まれただけに操作性は抜群だ。そして、モデリングからアニメーションまで、1つのパースペクティブビューからほとんどの作業を完結できる。これにより、マニピュレーターというXYZのハンドルを使うことができるようになった。もちろん、4画面表示も可能だ。
 このほかモデリング機能も強力でNURBS、ポリゴン、プロシージャルでのモデリングが行え、より直感的なモデリングを可能としており、特にデフォメーションツールにより、アニメーションのための複雑なモデリングを軽減している。プロシージャルを使えば、作成したモデリングデータをカスタマイズして複数作成することも可能となる。
 アニメーション機能もIK、IKスプライン、関節表現にフレクサーなどの機能とグラフエディター、ドットシート、チャンネルボックスなどのインターフェースを用いて高度なアニメーションをより簡単に行うことができる。


図9 MAYAの操作画面

図10 PowerAnimatorで作成されたハイクオリティなCG

図11 本物の役者と見間違うほど表情豊かなCGキャラクター

図12 風景もリアルそのもの
 
 また、MAYAを強化するオプション群を使用することで、さらに強力なアニメーション表現を可能にしている。たとえば、Maya Artisan(図13)はモデリングやアニメーションに使うツールで、モデル表面をマウスでなぞることにより表面変化などを行うことができる。タブレットを使用することで筆圧変化にも対応している。
 そのほか、ダイナミクスやパーティクルレンダリングのオプションとしてMaya F/Xがある。これは、PowerAnimatorやDynamationで定評ある高品質なパーティクルを実現している。
 MAYAはレンダリングの質、リアルな表現、完璧なリップシンクなど非常にすばらしいできである。今後は、WindowsNT版も登場する予定なので、幅広く使われていくのは確実だろう。


図13 モデリングやアニメーションの際、モデル表面をマウスでなぞるだけで表面を変化させられるプラグインMaya Artisan

CGアニメーションガイドブック