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撮影のお作法 ■撮影はゆったりと,腰を据えて余裕を持って まず,カメラ撮影の基本だが,これはぶれのない映像を撮影することに尽きる。ぶれをなくすためのもっとも基本的な撮影方法は,三脚を使用した撮影だ。この時は,焦らず慌てず,ゆっくりした気持ちで撮影しよう。またズームやパンを多用したり,カメラをあっちこっちに移動して撮影しても,決していい映像は撮れない。ここぞと思う撮影ポイントを探し出したら,その位置でじっくりと撮影を開始する。そして,少なくとも10秒以上は撮影するようにしよう。編集のことも考えると,この辺りは大切なポイントだ。 |
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■三脚の上手な選び方,使い方 |
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三脚はカメラを固定する意味があるので,できるだけ重たくてしっかりしたものを使用したほうがよい。また,足の長さは伸縮できて,必要なだけ高くできるものを選ぼう。ただし,これは理想であって,実際は使用する目的や使用するカメラの大きさによって適切な大きさのものを選ほう。子供の運動会の撮影に非常に重たいプロ用の三脚を持っていっては撮影自体が大変になってしまうからだ。もし,小型の三脚を選ぶ場合でも,パンニング*が容易で滑らかに動くものを選ぼう。これは,撮影に大きく影響するので,十分な吟味が必要だ。 |
図1●三脚を使用した撮影 図1は,パンニング時の構え。あらかじめ、腰を最終的に向く方向に向けておくとよい。 |
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■三脚を使わない撮影でのカメラの構え方 ぶれのない映像を心がけるには,三脚を使うのが一番だが,撮影場所や機動性の問題から,いつも三脚が使えるとは限らない。実際,小さな民生用DVカメラでは手に持って撮影する場合がほとんどだろう。ここでは,そのような場合に心がける,カメラの構え方について紹介する。 (1)ノーマル立位での撮影は 普通の立ち位置でカメラを構えるときは,両足を少し開いて立ち,両手でカメラをしっかりと持つ。脇を閉めてカメラがぶれないように構えたほうが,ぶれを少なくすることができる。ただし,肩や腕に余計な力を入れすぎると,とっさの動きに対応できないし,長時間撮影すると疲れるので,できるだけリラックスした状態で構えよう。ここでは,まずカメラぶれの少ない映像を撮影することを心がけよう。 (2)ハイアングルではカメラは両手で支え,肩に無理がない高さで撮影する。 人込みの後ろから撮影する場合など,ノーマル立位では被写体を写せない場合や,映像効果を狙って見下げた角度で撮影したい場合は,ハイアングルから撮影しなければならない。 (3)ローアングルは片膝を地面につけ安定させて撮影する ローアングルで撮影する時は,片膝を付きカメラを足に密着させて固定する(図3)。この時も無理な力は抜き,リラックスかつ安定した姿勢でカメラを固定して撮影する。アングルを変えるかもしれない場合は,立ちやすいように膝をついておくことが必要だ。 (4)いろんな物によりかかって固定する このほか,壁に寄りかかったり,テーブルにひじをつけたりなど,いろいろな物体を利用してカメラを固定する方法も考えてみよう。 |
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■そのほか,知っておくべき撮影のテクニック 基本的なカメラの構え方を抑えたら,次はもう少し凝った撮影にも挑戦してみよう。ズーミング,パンニング,移動の3つは,その中でも特によく使われる基本的な動作だ。これだけの手法を使っただけでも,映像は非常に多くのものを語りかけるようになる。濫用は問題だが,適度にこれらの手法を取り入れて,良い映像を作り出していただきたい。 (1)ズーミング DVカメラのズーミングを使用すると,被写体を大きくしたり,小さくしたりしながら撮影することができる。しかし,この効果を使い過ぎると,節操のない映像になってしまう。素人が陥りやすいのはこのズームの使い過ぎだろう。ズームレンズのいくつかの位置(広角,中空遠,望遠など)で固定して使用するなど,ズーミングは極力使わないような気持ちで撮影するのも大切だ。ズーミングするかわりに,自分が被写体に近づいたり離れたりしながら被写体の大きさを調整するのが賢明だろう。 (2)パンニング パンニングの方法は先に説明したとおりなのでお分かりだろうが,レンズの広角側で行うパンニングと望遠側で行うそれではずいぶんと意味合いが違ってくる。広角側ではさらに多くの情報を提供するための説明映像になるが,望遠側で使用すれば被写体に注目させる効果が出る。望遠側でパンを使用する場合は,一旦AF(オートフォーカス)ロックで被写体にピントをロックして本番の撮影をすれば,被写体にピントが合った映像を得ることができる。 (3)移動(ドリーまたはトラッキング) パンニングが振影位置を変えずに被写体を追っかけるのに対して,移動は被写体を追っかけて撮影する方法だ。移動時にカメラがぶれないように振影するためには,三脚の下に車を着けた「ドリー」や移動事が最適だ。しかし,一般には手持ちで移動撮影することのほうが多いだろう。そのようなときは両手でしっかりカメラを持ち,膝を曲げ,カメラに縦ぶれがおよばないように水平に移動する。プラさずに振影するのはなかなか難しい技術だが,これは体で覚えるしかない。何度も練習して,ぜひ習得しよう。 |
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ノンリニアビデオ編集完全ガイド2001 |