■『Gaudi』による高品位3D DVE そして、今回の目玉である『Gaudi』による3D DVEの使用方法であるが、『Gaudi』のエフェクトを使用するには、まずTransitionから『Gaudi』を選択する(図9)。つぎにCustomボタンをクリックすると、『Gaudi』のインターフェースが現れる(図10)。 |
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さて、『Gaudi』を使っての感想であるが、作成されるエフェクト類は放送レベルで通用する気品のある上質のものといえる。これらのエフェクトを放送用の3D
DVEシステムでそろえるとかなり高価になってしまうだろう。しかし、筆者は実のところ今回のテストまで『Gaudi』はリアルタイム3D DVEができると思い込んでいた。ところが、実際のところ『Gaudi』にはレンダリングが必要だった。そこで実際に標準添付3D
DVEの1秒間のエフェクトのレンダリング時間を計測すると約47秒であった。 はて、この約47秒の時間はいったい短いのだろうか長いのだろうか。 そこで、Adobe Premiere4.2で3次元DVEプラグインの『Boris Effects』を使用して1秒間の3DDVEを行ってみた。マシーンは同様のものを用いた。そのときの時間は、おおむね2分20秒〜3分30秒だった。このときエフェクトの設定は、標準添付された一般的なものだ。もし、設定をもっと複雑にすればもっと時間がかかったであろう。 しかし、ここで断っておかなければならないのは、Boris Effectには『Gaudi』でいうShapeの設定はない(図13)。つまるところ、PageTurn、CenterBurst、MultiWave、Sphereなどの設定はできない。つまり平面の状態のフレームを3次元に飛ばしたりしているにすぎない。仮にもしできたとしても、さらにもっと多くのレンダリング時間を有するであろう。 |
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図13●Shapeの種類 |
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つまり、『Gandi』はこれらの特殊効果を超高品位に処理しているにも関わらず47秒で終わらせていることになる。これらは編集ソフトが違うので比較にはならないかもしれないが、この高速処理を行っているのは『Gaudi』に搭載されたCPUとDSPによって行われている。 しかし、願わくばこの処理速度がVincent601のFastFXと同様の8秒くらいまで縮まってくれたらと思うのは筆者だけではあるまい。もちろんリアルタイムになってくれるとしたらうれしい限りだ。『Gaudi』の製造元であるピナクルシステムズは3次元DVEとスイッチヤー、そしてペイント機能が付いたPC向けのボード『Genie Plus3.0』を発売しており、リニア編集においてはすでにリアルタイムを可能にしている。ノンリニアにおいても、近々対応予定である。つまり、『Gaudi』においても将来像としてリアルタイムが可能なように設計されているのではないかと推測される。現在、MEDIA100は完全リアルタイム化を目指し次期バージョンの開発が押し進められているようだ。また、8月発売のHDRfxオプションはMovie 2 Busを使ってDual Streemを実現し、ディゾルブ、ワイプなどの21種類のトランジションを1/2高画質で完全リアルタイム処理する。MEDIA100の進歩が、真のノンリニア編集時代の到来へまた一歩近づけてくれるだろう。 |
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ビデオアルファ1997年5月号 | |