映像制作


●オーディオ編集とオーディオ用プラグイン

 edit*5.0は最大900のオーディオトラックをもち、48トラックまでリアルタイムにミクシング再生することがでさる。また、これらはフレーム単位でフェーダーを操作することも可能となっている。また、今回のバージョンアップで波形表示も可能となったので、編集作業もやりやすくなった。
 edit*plus5.0ではVSTプラグイン(図17)が使用でき、非骨に高度なオーディオ処理がリアルタイムに行えるようになっている。ちなみにVSTプラグインとはオーディオ編集ソフトメーカーのSteinburgが提唱したオーディオ用エフェクトプラグインで、多くのオーディオ編集ソフトでスタンダードとして使用されている。現在、サードパーティから数多くのプラグインソフトが販売されているので、エフェクト処理に困ることはないだろう。


図17 VSTプラグイン

●サードパーティ製プラグインソフト

 edit*5.0ではサードパーティ製のプラグインソフトとして、BorisFX(図18)やCrystal 3D VORTEXなどを使用することができる。これらのエフェクトを使用することで、非常に高度な3Dエフェクトを高品質で得ることができる。


図18 BorisFXの操作画面

●lnscriber CGによるテキスト(テロップ)入力

 Inscriber CGはInscriberが開発したテキスト入力用プラグインソフトで、多くのノンリニア編集ソフトで使用されている。
 edit*5.0では静止テキストの入力から、ロール・クロールなどの動きのあるものもリアルタイムに出力することができる。2バイトコードにも対応しているので、日本語の入力も当然行える。基本的に必要とされるテロップ楷能はもっているので、通常の使用では問題ないだろう。

■paint*、effect*との連携

 同社のペイントソフトpaint*(図19)や合成ソフトeffect*(図20)とedit*を組み合わせることで使用するとedit*の魅力はさらに倍増する。この連携は、Ver.5.0からさらに強力になっている。つまりedit*5.0のBin内にある映像素材をpaint*やeffect*にもっていって高度な合成処理を行い、さらにそれをedit*に適用する場合などの連携が非常にスムーズに行える。


図19 paint*の操作画面

図20 effect*の操作画面

表3 ハードウェアによる性能の違い

■edit*plus5.0を使ってみて

 今回、edit*plus5.0を使ってみて感じたことは、実際の編集作業の中でこれといって不満を感じるところはなく、操作性を重視した優れたツールに仕上がっていることだ。ただ、筆者にとってちょっと残念なのはMatroxのボードを使用した場合にリアルタイム3D DVEが使用できないことだ。
 本来、MatroxではPinnacleのGenie plusをOEMとして3D DVEボードが用意されているが、現在のedit* plus5.0のバージョンではまだ対応していない。次期バージョンでは対応の予定ということだが、なんとか早く対応してくれないものだろうか。
 ところで、edit*5.0を購入の際にどのハードウェアを組み合わせるか迷う人もいるだろう。ここで簡単に違いを表3にまとめてみたので参考にしてもらいたい。ちなみにリアルタイム3D DVEが必要ならTARGA、非圧縮(ロスレス)が必要ならDigiSuiteということになる。
 さて最後になるが、edit*5.0を使用する場合はぜひpaint*、effect*を組み合わせて使用してほしい。これによりペイント/合成/編集をシームレスに行えるのでsmoke*などのハイエンドのソフトに負けない機能を手に入れることができる。もちろん価格が違うので同等とはいかないにしても、工夫次第ではそれ以上のことも行うことができるだろう。

機材協力:日本インターグラフ、バイオス、日立計測器サービス
問い合わせ先:オートデスク・ディスクリートニューメディアビジネスグループ TEL03(3473)9343
ビデオアルファ1999年11月号