数年前まではDTV(デスクトップビデオ)といえば、「パソコンおたくが行う、お遊び程度の映像編集のためのシステムである」といった誤った認識をされていた映像業界の諸氏も大勢おられたことだろう。しかし、その当時からDTVの可能性は相当高かったわけで、当時からそれらのパソコンベースのマシーンで、さまざまな作品を制作し活踵されている人も多数いるわけだ。現在はDTVの発展した形としてノンリニア編集機といった新たな名称を受け、進歩し続けているのである。 |
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ノンリニア編集機のメリット,デメリット ノンリニア編集機の特徴は、時間軸に沿って編集するテープ編集(リニア編集7)とは異なり、時間軸を意識せずに編集することが可能である点だ。したがって編集したカットを即時に入れ替えたり、カット間に挿入したりすることを、いとも簡単に行うことができる。これは、画像をデジタル信号としてコンピュータのハードディスクなどに収納することにより、ランダムアクセスが可能となったためだ。 |
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図1 視覚的なインターフェースを採用しているノンリニア編集(アドビ・プレミア) |
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DTVでどんな仕事ができるか? DTV(ノンリニアシステム)の導入により、どのようなことができるのか、そのメリットを目的別に見てみよう。 ■マルチメディア DTVはマルチメディアから始まったといっても過言ではないが、現在、マルチメディアでの利用のされ方として、パソコン向け、ゲームマシーン向けCD−ROMタイトルで使用するMovieの制作がほとんどだろう。また今後は、インターネットなどのネットワーク上で使用するためのMovieの制作にも利用されていくだろう。 ■アーティスト DTVの最大の魅力は、1人で画像編集から特珠効果、音楽効果まで行うことができる点にある。これは芸術肌の人には最もとり付かれる魅力の1つだろう。彼らは充分に時間をかけ、いろんなソフトを駆使し、1人で作品を完成させていくだろう。そう考えると、今後デジタルアーティストが台頭してくることは間違いないだろう。 ■企業内ビデオの制作 一般素人にはいままでは難しかったビデオ編集も、ノンリニアシステムを導入することで、視覚的に編集することが可能となり、編集が楽しくなるであろう。これで、導入はしたけれども使用しないといったことは、少なくともなくなるはずだ。 ■教育の現場 従来のキャラクターベースの編集機を用いたビデオ編集システムは、学生を初め教師にとっても、お世辞にも使いやすいとはいいがたい。したがって、いままでに導入されているビデオ編集システムは、一部の担当者以外は繰作ができずに、眠っているケースも意外とあるのではなかろうか。 ■制作プロダクション 映像制作のプロダクションは、編集作業をポストプロで行っているのが普通だろう。バブル崩壊後、そのしわ寄せは、制作費の低下となって制作プロダクションに訪れている。かといって、映像クオリティを落とすわけにもいかず、頭の痛いプロデューサーも多いことと思う。そういうところにノンリニアシステムを導入すれば、編集費の削減をすることができるだろう。 ■ポストプロダクション ポストプロダクションにおいては、ノンリニアシステムの導入は今後必至と考えられる。導入時には、現在のシステムを最大限に生かしてノンリニアシステムを組むことができる。しかし、その反面、低価格のノンリニアシステムが販売され、制作プロダクションが購入すると、自分たちの仕事がなくなるのではないかといった心配が出てくるだろう。したがって、現在の業務状況と今後の方針を的確に判断し、いつ、どのようなシステムを導入するかが大きなかぎになる。導入時の間違いは死活問題に発展しかねないのだ。 |
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図2 ノンリニア編集作業の流れ |
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