◆プロに必要なノンリニア編集システムとアマチュア用との違い◆ アマチュアの場合、オフラインやオンラインで分けて考えることは少なく、導入コストを抑えながらも操作性やエフェクトの数など機能面での充実がほしいというのが本音だろう。時間はいくらでもかけられるが、お金はかけられない、しかし面白いエフェクトなどはほしいといった欲張りな考え方になる。 |
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◆リアルタイムかレンダリングか◆ パソコンを使用したノンリニア編集のトランジションやほかのエフェクトは、通常パソコンのCPUを使ってレンダリング(計算)されて処理される。したがって、その分どうしても計算時間(レンダリング時間)がかかってしまう。この時間をできるだけ短くするために、ビデオ入出力ボードにDSPチップを搭載し、エフェクト処理を高速化するなどの努力がされてきた。しかし、ここにきて、完全にリアルタイムでのエフェクト処理ができるリアルタイムボードが出現してきた。これは2chの同時再生が可能なデュアルストリームをもったビデオ入出力ボードと組み合わせて使用することで、2次元や3次元のエフェクトをリアルタイム処理することができるというものである。一般的にデュアルストリームをもったビデオ入出力ボードは、それ自体に2次元のリアルタイムアクセラレーション機能ももったものが多く、これに3次元のDVEやエフェクトをもったボードを組み合わせることになる。 |
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◆システムアップとワンポイントアドバイス◆ 1)ノンリニア編集システムの構成とそれぞれの役割・コンピュータ すべての中心となるのがパソコン本体だ。この中にはCPUという演算チップが入っており、これによってすべての処理を行うことができる。Windowsでは一般的にMMX
PentiumやPentium IIが使用されている。MacではPower PC604eやG3が使用されている。画像処理の面からいえば、G3のほうがPC604eよりも高速であるが、G3搭載機は本体内にPCIバスが3つしかないため、ノンリニア編集ではバスが不足する場合がある。 ・ハードディスク OSをインストールするのに必要なのがハードディスクだ。ここにはこのほか、いろいろなデジタルデータを記録することができる。当然映像データも記録できるわけだが、ノンリニア編集の際は、ほかのデータとは分けた映像専用ハードディスクを用意する必要がある。ハードディスクの性能にはデータの記録速度や読み取り速度、そして転送レートが挙げられるが、どちらかというと高速で安定した転送ができることが第1条件になる。転送レートはハードディスクによって違いがあるが、RAIDを使用しハードディスクを複数台使用することで全体のパフォーマンスを上げることができる(後述)。しかし、搭載されたSCSI規格で最大に流せる転送レートの上限が決められている(SCSIアクセラレーターのところを参照)のでそれ以上の転送速度は望めない。ここも注意が必要だ。 ・SCSIアクセラレーター SCSIアクセラレータカードは、コンピュータからのデータをハードディスクに受け渡すインターフェースカードである。SCSIの規格でその上限は決定されている。SCSI Tは5Mバイト/秒、Fast SCSIは10Mバイト/秒、WideSCSI、Ultra SCSIは20Mバイト/秒、Ultra WideSCSIは40Mバイト/秒、最近登場したUltra2 Wlde SCSIは80Mバイト/秒までに対応している。 ・VTR 撮影されたビデオ映像をデジタイズするのにはVTRが必要だ。VTRに9ピンコントロールが付いていれば、コンピュータ側から操作することも可能だ。この場合、編集ソフトがディバイスコントロール機能をもっていなければならないが、サードパーティから単体やプラグインとして使用するものなどが販売されているので、これらを利用する手もある。 ・RGBモニター パソコンの表示モニター。編集ソフトを使って編集する際に必要になる。17インチ以上の解像度の高いモニターを使用したほうが編集作業がやりやすい。また、NTSC信号をパソコンのRGBモニターでモニタリングするには、NTSCモニターと同じガンマ値2.1に合わせておく必要がある。 ・NTSCモニター 編集している映像信号をモニターするのに必要なのがNTSCモニターだ。NTSC信号を常に監視することで失敗のない映像編集を行える。 |
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2)圧縮率と画質 圧縮率と画質の関係は本文中でも述べているが、M-JPEGを使用したビデオ入出力ボードの場合、自分に必要な画質(最終使用目的)をどのあたりにおくかをまずはっきりさせる必要がある。無駄に画質を上げても、使用データ量が大きくなるばかりで、編集作業にストレスを生じるだけだ。 |
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3)RAID(ディスクアレー)について RAID(ディスクアレー)とはハードディスクを複数台使用して、データを分散記録することで、1台のハードディスクの能力以上の性能をトータルで発揮させようというシステムだ。この方法は俗にストライピング接続とも呼ばれているが、これ以外に、同じデータを複数台のハードディスクに並行記録することで、万が一のセキュリティに対応させたものもある。そして、これらを組み合わせたものもある。 |
Adaptec社Macintosh対応RAIDアレーソフトウェアREMUS/REMUS LlTE |
4)システム構築時の注意点 ・MacとWindows いままで、パソコンを使用したことがなかった人が導入する場合は、しいていえばMacのOSのほうがすぐ使えるようになるといえるが、ノンリニアシステムを構築する場合、プラットフォームとしてMacがいいかWindowsがいいかは、現在自分がどんなパソコンを使用しているかで決めればよいくらいで、はっきりどちらが有利かとは断言できない。現在MacユーザーにはデザイナーやDTPの制作者が多く、Windows系ではビジネス系やCAD、CG系のユーザーが多いので、今後付き合うであろうこれらの人たちとの、データの受け渡しも考慮したほうがよいかもしれない。しかし、現実には編集時には編集ソフトを使用して行うので、自分に合った編集システムが組めるマシーンを選ぶことになるだろう。 |
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5)ノンリニア編集システムにおけるタイムコードと同期信号の扱い 業務レベルでノンリニア編集を行うにはタイムコードによる映像管理が必要になるため、映像と同時にかならずタイムコードを記録しなければならない。これはディバイスコントローラーの付いた編集ソフトやサードパーティ製のソフトを使うことで解決できる。これによって、オフライン、オンラインでの使用が確実に行える。また、ある程度の価格のビデオ入出力ボードには同期信号用の入出力を備えたものやアルファ出力を備えたものもある。これらは、GPI信号により編集機からノンリニアマシーンを走らせるとさに映像の同期をとることができる。 |
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ビデオシステムと機材98-99 | |