■SOFTIMAGE￤DS
 写真3 インターグラフ社のStudioZforSOFTIMAGE￤DS |
SOFTIMAGE￤DSは、WindowsNTマシーン上で稼働するビデオ制作の総合環境アプリケーションだ。このSOFTIMAGE￤DSは開発段階ではDigital
Studioと呼ばれていたが、その後SOFTIMAGE￤DSとして発表された。
1998年のNABで発表されたVer．2.0では、非圧縮データの完全リアルタイムエフェクト機能を搭載した。SOFTIMAGE￤DSは総合環境アプリケーションという名のごとく、ビデオ制作における制作過程を1つのインターフェースですべて行うことができる。つまりビデオ編集、エフェクト、合成、ペイント、オーディオ、タイトルをすべて1つのソフトで行うことができるのである。
これにより、異なったアプリケーションソフトを立ち上げ直したり、データ変換を行ったりする際のよけいな労力や変換による画質劣化をなくせるので、これ1つでビデオ制作におけるすべての作業を進めることができる。米SOFTIMAGE社の言葉を借りると、SOFTIMAGE￤DSはビデオ編集スタジオであり、合成スタジオであり、MAスタジオでもある、という。やや大げさという気もするが、本当であるらしい。しかもオープンアーキテクチャーのため、すべてのハードウェア環境で動作させることができる。
しかし、現時点でSOFTIMAGE￤DSの要求するハードウェア環境を充分満たせるのは、インターグラフ社のStudioZ for SOFTIMAGE￤DS（写真3）しかない（今後、Matorox
DigiSuiteなどにも対応予定）。このStudioZ for SOFTIMAGE￤DSはDual Pentium300MHzプロセッサーを搭載したインターグラフ社マザーボードにStudioZビデオボード、非圧縮／圧縮D－1／SDIビデオ、10000rpm
Ultra－WIDE SCSIハードディスク、デジタルオーディオボード、デュアルディスプレー、豊富なPCIバスなど最先端の技術が投入されている。これによりSOFTIMAGE￤DSでリアルタイム編集および合成を可能にしている。
サードパーティからは各種プラグインが発表されている。下記はその主なもの。
・DISCREET LOGICのFlameやEyeonのDigital Fusion用のモーフイングやパーティクルエフェクト等で知られる5D社（www.5d.com）から同社の「Monster」をSOFTIMAGE￤DSのプラグインに機能拡張したもの。
・2Dアニメーションパッケージ「Toons」の主要デベロッパーDigital Video社（www.divideo.it）からSOFTIMAGE￤DS上から「Toonz」の機能を使えるようにしたプラグイン。これにより2Dセルアニメーションも処理できるようになる。
・merging technologies社（www.merging.com）からデジタルオーディオエフェクトプラグイン。これにより、複雑な波形編集やEQ、ダイナミクス、ノイズシェイピングなどが可能になる。
・フォトロン社（www.photron.com/us/primatte/primatte.jp）から高品質クロマキー合成プラグイン。
・ULTIMATTE社（www.ultimatte.com）からブルースクリーン合成や合成時のスクリーン修正、Grain Killer（フィルム粒子、ビデオまたは圧縮のノイズを減らすもの）等のプラグイン。
このように、SOFTIMAGE￤DSの周辺かなり熟くなっているのがおわかりいただけるだろうか。
図4 SOFTlMAGE￤DSの合成の操作画面。複数のビデオクリップレイヤーを作成できる
図5 SOFTIMAGE￤DSのグラフィックス操作画面。色補正やテクスチャーエフェクトの適用、マット作成などが可能
図6 1998年のNABで発表されたVer．2.0のベータ版の操作画面
■FLAME（DISCREET LOGIC）
 表1 DISCREET LOGIC社の製品群とその位置づけ |
DISCREET LOGIC社の製品群とその位置づけは表1のとおりだが、その中でミッドレンジの合成ソフトに位置づけられているのがFLAMEだ。ただし、ミッドレンジといっても、CM、映画、ミュージッククリップなどその実力はハイエンドそのものだ。
FLAMEのプラットフォームは、SGI社のOnyx 2またはOCTANEワークステーションだ。FLAMEはわかりやすいビジュアルインターフェースに加え、PAL、NTSC、HDTV、またはフィルムでの作業を実現する解像度フリーのオープンアーキテクチャーは作業中のイメージフィードバックをリアルタイムに受け取ることで変更を容易にし、それらを任意のレゾリューションでレンダリング可能だ。
システムには、Actionモジュール（図7）を初め、3Dパーティクルジェネレーター、キーヤー（図8）、ペイント、スタビライザー、トラッカーバッチプロセッシング、カラーコレクター、ワーバー、ドラッグ＆ドロップ編集ツール等の機能が含まれており、コマーシャルや音楽ビデオの制作に大きな力を発揮している。
Actionモジュールは、キーヤー、カラーコレクター、スタビライザー／トラッカー、3Dテキスト、3Dポリゴン、3Dディスプレースマッピングを統合したパワフルなマルチレイヤー合成モジュールだ。
Warperは、画面にメッシュを描画しながら行えるワーピング、モーフイング機能で、静止画だけでなく、動画のワーピング、マルチメッシュを用いての複雑なクロスモーフ（ABロール）にも対応している。
Stabilizer and Trackerは、高性能なモーションアナライザーを使用し、スプラインベースのエッジトラッキングの優れた環境を提供しており、定評だ。1、2、4点でのパースペクティブトラッキングをサポートしており、カメラモーションの自動測定も可能。
図7 Actionモジュールの操作画面
図8 キーヤーモジュールの操作画面
