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一般のテレビで視聴するCG映像を制作する人は,プロに限らず,セミプロやホビーユーザーでも増えている。ただし,高価なNTSC用のマスターモニターを使用してモニタリングしている人は少ないと思われる。ではコンピュータディスプレイを使ってできるだけ正確にビデオ信号を扱うにはどうしたらよいだろうか? これに失敗してしまうとせっかく制作したコンテンツが台無しになってしまうので,制作する際に気を付けておかなければならない。 今回は,手持ちのコンピュータディスプレイを使ったモニター調整のポイントを押さえておこう。 最初は,ビデオカメラとビデオ映像の原理,ビデオモニターとコンピュータディスプレイの違いという話から始める。ビデオ編集を理解するために必要なことであり,さらにテーフに記録するフォーマットの選択に役立つだろう。最近の面白い製品の話も入れておいた。その次に,モニターの調整方法を,実際の手順に沿って解説しよう。 |
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ビデオカメラとビデオ映像 まず,簡単にビデオの仕組みを言うならば,ビデオカメラで撮影した被写体は.ビデオ信号として電気信号に変わり,ビデオテープに記録きれる。記録されたビデオ信号は,ビデオデッキで再生され,ビデオモニターで光に戻る。われわれはそれを映像として鑑賞することができる。 |
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■ビデオカメラの原理 ビデオカメラで撮影した被写体はレンズを通り,撮像管(真空管の一種)または撮像板(CCD)で電気信号に変わる(図1)。民生用ビデオカメラの場合,一般にCCDが使われている。現在では業務用でもCCDを使用しているものがほとんどだ。
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■ビデオカメラのガンマ特性 映像の調子を決める大きな要素にガンマ特性がある。これは,入力と出力との関係であるが,ガンマが1.0の場合,45°の角度の理想的な直線となり,入出力が正比例する(図3)。しかし,実際にはカラーテレビやカラーモニターに使用されているCRTのグリッドに加えられた輝度信号は管面で正比例せず,約2.2乗に比例する(つまりNTSCモニターのガンマは2.2)。 |
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■コンポジット信号のNTSC方式 アメリカや日本のTVで使用されている白黒テレビと互換性のあるカラーテレビ方式は,NTSC(National
Television Standard Commitee)方式と呼ぶ(表1)。このほか,世界にはPAL方式やSECAM方式があることをご存知の方も多いだろう。 |
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■NTSC以外のビデオ信号 RGB信号はコンピュータディスプレイで広く使用されている。また,ハイビジョンの一部でも使用されている。色信号を最初から最後まで分離して扱うため,画質や解像度が高く,色再現性にも優れている。 |
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■ビデオテープのフォーマット高画質はコンボーネント信号 一般的に輝度信号(ルミナンス)と色信号(クロミナンス)を組み合わせたコンポジット信号の場合,色と映像の解像度が低下してしまう。ビデオテープへの記録方式も1つのビデオトラックにビデオ信号を記録したコンポジット方式と,輝度信号(ルミナンス)と色信号(クロミナンス)または色差信号(U,V)に分けて別々のトラックに記録するコンポーネント方式がある(図4)。コンポジット方式に比べ,コンポーネント方式の方が色や解像度の再現性は優れている。 |
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日経CG1998年5月号 |