実践! 遊園地でのデートで被女をきれいに撮る さて,次はここまでの学んだ撮影テクニックを本番でどう使うれ撮影者の腕の見せ所だ。今回は編集部のM記者が,DVカメラを片手に彼女とのデートを撮影という想定でチャレンジした。撮影した映像を編集して,彼女が田舎の両親に送るビデオレターに仕上げる。DVカメラにはキャノンの新製品「lXY DV」を使用した。果たして,どうなったのだろうか? 筆者も心配になったのでこっそりと後を付けた。M氏の失敗と成功を交えながら実成テクニックを公開しよう。 |
||||
■撮影チャンスは待ち合わせから始まっている |
|
|||
予定より早く到着したM氏は,現場を確認して状況撮影を開始した。 そんなところに彼女到着。M氏は大きく片手を上げて左右に振ると,彼女もそれに応えて手を振りながら走ってやってきた。彼女の笑顔と手を振る様子をカメラに収めることができた。今日のデートはなかなかいい感じで滑り出したようだ。 |
||||
パンニングを失敗してフレームアウト |
|
|||
M氏は遊園地に到着すると早速,カメラを回し始めた。 遊園地の状況説明用に外観とゲート付近を撮影したようだ。パンニングで遊園地全体の外観説明をしようとしているが,パン終了後に観覧車の上部が切れてバランスが悪い。これはいきなりカメラを回してパンを開始したからだ。このような場合は,まず,最終的にパンを止める遊園地の構図を決めてから逆方向にパンニングしパンの開始位置を決める。その位置から撮影を開始すれば,思い遣りの構図でパンを終了することができる。 |
||||
■撮影場所を映像で明らかに 遊園地のゲートヘは2人で入っていきながらも施設の名前の看板を撮っている。これはなかなか気が利いている。 |
||||
■自分たちの2ショットも撮影できる 2人は早速,乗り物に乗ることにしたようで,M氏は彼女の笑顔を狙いながらも2人の2ショットも撮ろうとしたようだ。このようなショットを撮影する場合はとりあえず撮れればよしと考えよう。ただし,乗り物が動く場合は手からカメラが落ちないようにストラップでしっかり固定するのを忘れてはならない。撮影した映像を見ると彼女の笑顔や2ショットもなかなかうまく取れている。 |
||||
■動く被写体は練習撮影を十分に
|
|
|||
次に彼身を1人で水上コースターに乗せ滑り降りてくるところを撮影するつもりらしい。しかし,彼女の順番まではまだ遠く,時間がかかりそうだったので,その間にほかの人が滑ってくる様子やほかのジェットコースターなどを角度を変えたりパンをしたりして撮影し,編集でいろいろ使えるように素材振りも行った。彼女が降りてきたときに,確実に撮るための練習にもなっている。 ある程度撮影したころ,彼女の水上コースターが滑ってきたので見事これを撮影し,彼女の笑顔もGETした。これはなかなかの気が利いた撮影だ。このように,合間の時間にいろいろなショットを撮っておけば,素材が増えるので,編集後のビデオレターは,バラエティーに富んだものになるだろう。 |
||||
■ズームを使いこなした雰囲気カット 次にM氏は,メリーゴーランドに乗っている彼女を撮影し始めた。広角から望遠までのズームを使って撮っている。広角で状況説明を,望遠で雰囲気カットを撮影している。なかなかいい感じで撮れたようだ。ズームを上手に使いこなしている。 |
|
|||
■被写体の変更時には露出補正に注意
|
|
|||
はやる気持ちを抑えつつ観覧車に彼女を誘導したM氏は,最後は観覧車で決めるとばかりに意気込んだが,またしても乗り物に乗り込むところを撮りそこなってしまった。しかし,ゴンドラ内ではなかなかいい感じの2ショットが撮れている。美しい風景をバックにした彼女の笑顔も押さえた。ところが,眼下の風景を撮影した映像は露出オーバーになっている。これは,ゴンドラ内での撮影で設定した露出補正のまま外の風景を撮影してしまったからと思われる。観覧車内で何が起こったか分からないがせっかくの景色がもったいないなあ・・・。 | ||||
■編集時に助かるちょっとしたカット 撮影終了後,観覧車から降りてきたM氏は満足げだったが,この状態ではまだまだ素材が足らず,編集時に因ってしまうだろう。そんなことのないように,遊園地内を移動しながら,遊園地の部分部分を少しずつ撮影しておくことを忘れないように。これらの素材は編集の際にインサートカットとして使用するものなのできるだけ多く撮影しておけば後で助かることになる。こうして遊園地でのデートを終えたM氏。だいぶ撮影も上達したようだ。 |
|
|||
日経MAC2000年10月号 |