PVRは独自のPVDコーデックを使ったビデオ圧縮伸長ボードである。PVDは完全YUVのコーデックで、入出力のサンプリングに10ビットを使用しているため、きわめてSN比の良い映像を得ている(通常のノンリニアボードは8ビットが主)。また、入出力にはS入力、コンポジット入力のほか、コンポーネントYUVをもっており、まさにハイエンドな映像を見ることができる要因の1つである(詳しくは本誌昨年4月号をお読み下さい)。また、今回のテストに間に合わなかったが、オプションのSD−2500を付けることで、シリアルデジタルD−1の入出力も行うことができる。
デフォルトの最高画質設定(低圧縮)は6Mバイト/s(1/3圧縮)であるが(図3)、設定を変えることができ、高性能のハードディスクを組み込むことで、それ以下のレート(7〜9Mバイト/s;約1/2圧縮)を転送することもできる。ただし、PVR上にSCSIバスをもっているため、安定しているという利点とは裏腹に、NTを使ったRAIDを組むことはできない。したがって、転送レートを稼ぐには通常ハード式のRAIDを組み込む必要がある。ただし、RAIDを組み込むことでどこまでレートを上げられるかは、残念ながら筆者は未確認であり、もし上げられたとしてもどこまで画質アップにつながるかは定かでない。いずれにせよ、バンドラに搭載のSeagatel1917INはRAIDシステムにも劣らないような安定した高転送能力をもっている(8〜9Mバイト/s)。
A4Vはperception用のオーディオ入出力ボードで、2ch入力で、サンプリングは48kHzまで対応しており、アナログのほか、デジタル入力も備えている(図4)。また、A4Vボード上にDSPチップを搭載しており、MixControlにより8chをリアルタイムにミクシングしながらの再生ができる(図5)。
ビデオデジタイズはPerceptionのユーティリティで行うことができる。この際A4Vを使用した場合A4VProgram Playerウィンドウ(図6)が現れる。
また、オプションのPVR−422を接続し、Source Player左下の設定をPVRからVTRに変更することで、9ピンVTRのコントロールができる(図7)。この際、画面にタイムコードが現れ、VTR
Time CodeパネルでIN点、OUT点を設定できる。Bach Recordする際は、Bach Record Listにリストアップされる。
また、特筆すべきはPVR−422の設定によりPerceptionをマスターにもスレーブにも設定することができる点だ。ただし、スレーブの場合、再生のみに限られる。しかし、このことは既存のリニア編集システムに組み込むことで、Bロールプレーヤーの役割をしてくれることを意味する(デッキエミュレーション)。もちろんその中でデジタル編集をしておけば何台もの編集機の役目をしてくれることになる。
|
図3●Perceptionへの入力切り替えやデジタイズのレートの設定を行う
図4−1●Audio Recorder Control(入力)
図4−2●A4Vの入力レベルパネル
図6●A4V Program Player
|