映像制作


●色・表面(Surface)パネル(図7)

 Glow EffectやGlossinessを細かく設定できるようになった。これにより徹妙なGlow表現や、金属などのGlossiness表現に幅ができた。
 また、Texture設定時に、Textureに対してTexture Reference Objectを設定し、このTexture Reference Objectを動かすことでTextureに対し回転、拡大・縮小を行うことができるようになった。これはディスプレースメントマップなどのすべてのTextureに対して有効なので、面白いTexture効果もつくることができる(図8)。


図7●色・表面(Surface)パネル


図8●Texture Reference ObjectによるTextureのアニメート

●光源(Light)パネル

 Light種にLinear Light(線光源)とArea Light(面光源)が加わった(図9)。両者とも高いサンプリング数を有し、質感表現の向上を図ることができる。加えて、ストレッチや拡大・縮小で大ささ(作用範囲)の設定ができ、アニメーションすることもできるので、光の面白い効果を表現することもできるだろう。


Linea rLight

Area Light
図9●Linear Light(線光源)とArea Light(面光源)

●カメラ(Camera)パネル

 Cameraレンズの焦点距離を入力する場合、従来はZoom Factor値を入力することでしか入力できなかった。つまり、50mmレンズに設定したい場合、予想するZoom Factor値を入力した後、表示される焦点距離を確認後、再度Zoom Factor値を入力し直すといったようなやり方だった。今回から既存のZoom Factorに加え、Lens Focal Length、Horizontal FOV、Vertical FOVが設けられ、レンズのミリ数(焦点距離)、水平垂直に対する画角のどこからでも設定することができるようになった(図10)。これにより、実写との合成がやりやすくなった。


図10●カメラ(Camera)パネル/焦点距離

●特殊効果(Effect)パネル

 Pixel Filter PluginにSteamerとSky Tracerが追加された。Steamerはボリュームライトやフォグを実現するプラグインだ。これにより、幻想的な光の表現が可能になった(図11)。
 Sky Tracerは、Steamerをベースにしたリアリスティックな空をつくり出すためのプラグインだ(図12)。ここでは、大気/霧の設定、雲の設定、太陽や月の設定を行うことで、リアリスティツクな空をつくり出すことが可能となっている。また、Volumatic Renderにより、光の筋を設定することも可能だ。


効果なし

効果あり
図11●Steamerのコントロールパネルと効果例


図12●Sky Tracer

●オプション(Option)パネル

 ver.5.5ではLeftMouse Button Item Selectによりアイテムを直接選択することや、従来のようにShift+クリックで選択することもできるようになった。
 そして、なによりもうれしいのは、Enable Open GL Textureによりサーフェスに張り付けたTextureをOpenGL画面でリアルタイム表示が可能となったことだろう。これで、従来のようなTexture確認のために必要だったレンダリングが、かならずしも必要ではなくなった。

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ビデオアルファ1997年11月号