Play社からTrinity(トリニテイ)のコンセプトが発表されて以来、ここ数年間、業界では常に注目されうわさされてきた。もし、そのコンセプトが現実のものとなれば、真の意味での映像革命をもたらすことは業界人ならだれしも疑うことのない事実であった。そのためライバル会社は脅威に思っていたことは事実であろう。しかし、コンセプトが発表されてから数年間経つうちに他社ではノンリニア製品群が充実し、さらにリアルタイムで多機能な製品群が現れつつある。こんな中USAでTrinityの出荷が始まった。すでに遅しという感もないわけではないが、Trinityの発表から数年経ってしまったいまでもその基本コンセプトはまだ魅力にあふれている。はたして、Trinityは真の意味で映像革命を起こしてくれるのだろうか? |
写真1 Trinity外観 写真2 Trinityシステム |
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■Trinityとは(図1) ここで、ビデオαを購読されている方に、Trinityを簡単に説明しよう。 |
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そう考えると、あまり代わりばえのしないシステムであるかのように思われるが、Trinityのすごいところは、すべてにデジタル処理が行われており、ITU-R601に完全に対応した4:2:2:4のD-1解像度による高画質をもち合わせていることだ。マザーボードは8ビット、10ビットに対応しており、使用する入出力ボード(オプション)によりコンポジット、Y/C、アナログコンポーネント、SDI、DVなどあらゆる入出力に対応可能となっている。また、TimeMachineなるノンリニアユニットを取り付けることで、リニア、ノンリニアの混在したシステムをたやすく構築できる。何度も繰り返すが、これらがすべてD-1解像度でしかもハイクオリティな画質をもっている。そして、最も驚くベきことはこのTrinityのベースシステムの価格がアメリカで4995ドルであるということだ。これは実に信じがたい事実なのである。 | |||||||||||||||||||||
先に述べたVideoToasterと比べた場合を考えると、VideoToasterでは画質面で明らかに差がある。特にDVEを使った際の表示解像度に大きな差がある。つまり、VideoToasterではDVE処理においてモザイク上の画質に荒れが生じたが、Trinityではいっさいない。またVideoToasterではFlyerというノンリニアボードを付けることでリアルタイムノンリニア編集を可能にしていたものの、9ピンでのコントロールができなかったため、スタジオで使用する場合にとても不都合があった。もちろんサードパーテロールはできたようだが、不明な点が多かった。それに比べ、Trinityのコンセプトは放送レベルのクオリティをデスクトップで実現し、しかも業務用、放送用としても使用できるように非常にしっかりした設計になっている。 さて、このようにPlay社のTrinityの基本コンセプトがNewTek社のVideoToasterに似ているのは、Progressive Image社とDigital Creation社、そしてNewTekを辞めた人がいっしょにPlay社を起こし、VideToasterにとどまらない本当につくりたかった製品Trinityを開発したからだ。 では、Trinityをさらに詳しく見ていくことにしよう。 |
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図1 Trinity Switcher |
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■外観と内部 まずTrinityの外観だが、写真1のとおりだが、かなりデカイ。サイズは19インチラック10U(17×17×24インチ)である。 |
内部 外部 |
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図3 マザーボード |
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ビデオアルファ1998年9月号 |