映像制作


●Job(ジョブ)、Program(プログラム)、Bin(ビン)による優れた編集管理(図8)

 一般的なノンリニア編集ソフトの多くは、ProgramやProjectと呼ばれるタイムラインウィンドウを1つの編集単位としている。たとえば、Adobe Premiere5.1はProjectを1単位とし、当然タイムラインウィンドウは1つしか開くことができない。しかし、edit*5.0では1つのタイムラインウィンドウはProgramと呼ばれ、これらのProgram(タイムライン)は複数開いておくことができ、これをJobとして管理することができる。これにより、複数プログラムを有機的に結び付けて使用することができるようになり、編集データの利用が可能となった。

   
図8 複数のタイムラインウィンドウをJobとして管理することができる

●Binこよる優れた素材管理

 使用する素材データはBinにより管理するが、これらのBinはどのProgramやJobからもアクセスでき、呼び出せる。これにより、素材をBinによるデータベースとして管理、使用することができるわけだ(図9)。
そして、Binに搭載されたファイル検索機能も非常に強力になっている(図10)。


図10 Bin内のファイルを強力に模索できる

図9 素材をBinによるデータベースとして管理、使用することができる

●タイムラインと編集

 edit*5.0のタイムラインは、ビデオ(最大99本)トラックとオーディオ(最大900本)トラックのほか、GFX(グラフィックス)トラックとDVEトラックをもつことがでさる。このとき、オーディオトラックは48chまでリアルタイムミクシングが可能だ(図11)。
 GFXトラックはテロップなどのグラフィックを扱うトラックで、テロップの作成はプラグインソフトのInscriber CG(図12)を使用する。また、ハードウェアにTARGAのボードを使用している場合は、edit*plus5.0使用時にグラフィックストラックをもう1本もつことができる。これはLogoトラックと呼ばれるが、グラフィックスの束ね合わせに低利だ。
 DVEトラックは3Dエフェクトなどの処理をするときに使用する。タイムラインを使った編集にはBinからドラッグ&ドロップで編集する方法と、3ポイント、4ポイント編集が行える。4ポイント編集ではProgramのデュレーションにsourceデュレーションを合わせて編集することができる。これらの編集時に、タイムライン上のInsert/Overrecordボタン(図13)を切り替えることで、タイムライン上に上害さするか、インサートするかを、簡単に切り替えができる。また、ビデオデータの映像と音声を違うデュレーションで使用するLカット編集も簡単に行えるようになっている。トリミングはslip&Slideなどが行える(図14)。
 また、edit*plus5.0の新機能としてマルチカム編集が行えるようになった。マルチカム編集とは複数のビデオファイルを同期させることで、マルチカメラのスイッチングに似た編集を行うことがでさる機能だ。
edit*plus5.0では合計8つのファイルをリンクできるので、8台のマルチカメラで撮影されたビデオファイルの切り替えができる。これはミュージッククリップなどの編集に重宝されるだろう。


図12 テロップの作成用のプラグインソフトlnscriber CG

図13 タイムライン上に配置されたlnsertボタン(左)と
Overrecordボタン(右)

図14 Slip&Slideなども行える豊富なトリミング機能


図11 48chまでリアルタイムミクシングが可能なオーディオミクサー

●リアルタイムエフェクト処理(図15)

 使用でさるリアルタイムエフェクトには、カラーコレクション、クロマキー、ルナキー、フリップフロップ、2D/3Dエフェクト、DVE、モーションエフェクト、グラフィックアニメーション、キーフレームチャンネルエディターなどがある。
 ただし、edit*5.0はハードウェアのリアルタイム機能を便用してリアルタイムエフェクトをかけているので、使用するハードウェア(MatroxDigiSuite/DigiSuite LEを使用するかTARGARTXのTXを使用するか)で若干の違いが生じる。特にリアルタイム3DエフェクトはTARGA RTXのTX+3DFXボードを使用した場合のみ使用可能だ(図16)。MatroxDigiSuite/DigiSuite LEでは次期バージョンでの対応が予定されているようだ。


図15 リアルタイムエフェクトの操作画面。キーフレームエディター(画面左下)を用いることで、キーフレームをベジェ曲線でも扱える

図16 TARGA RTX/DTX+3D FXボードを使用した際のリアルタイム3Dエフェクトウィンドウ
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ビデオアルファ1999年11月号