映像制作


 discreetは、デジタル合成製品を多数提供している。ハイエンド向けにはSGI Onyx 2をプラットフォームにしたinfernoやSGI Octaneをプラットフォームにしたflameおよび、flintなどがある(図1、図2)。このほか、ノンリニア・エディティング用にはハイエンド製品としてfireやsmokeがあり、PCベースにはeditがある。
 これらのうちデジタル合成製品のエントリーモデルとして位置付けられているのがcombustionだ(図3)。プラットフォームをWindows PCマシーンやMacintoshにすることで、discreet製品を多数のユーザーが使用できるようになった。エントリーモデルといってもあくまでハイエンド製品と比べたらのことであり、実際には非常に強力な機能をもっている。うれしいことは、カラーコレクションやモーショントラッキングがinfernoなどのハイエンド製品と同等のアルゴリズムでつくられているところだ。これにより、非常にコストパフォーマンスのよい合成・ペイントソフトが登場したといえるだろう。
 combustionを他社製品とあえて比べるなら、After EffectsやCommotion、またDigital Fusionなどが挙げられるだろう。combustionが、これらの製品と一線を画している特徴は、完全な3次元でのデジタル合成が可能となっているところだ。これはあたかも、3Dソフトウェアでデジタル合成を行っているようなものである。つまり、カメラやライトを設定し自由にアニメーションできるのだ。この際、取り込んだ画像データはレイヤーとして、距離を設定でき、レイヤーによる影や距離感を生み出すことができるのだ。
 本誌で以前にもcombustionを紹介したが、今回は実際に仕事で使用してみた感想も交えながらお話しよう。

図1 infernoインターフェース

図2 infernoを使用してつくられたタイタニック
表1 combustionのシステム条件
■Windows版 ■Macintosh版
CPU:intelコンパチ(200MHz以上、デュアルPentiumIII推奨) CPU:PowerPC G3またはG4(300MHz以上)
OS:Windows95/98またはwindowsNT4.0/2000 OS:MacOS8.5以上
メモリー:256Mバイト以上(512Mバイト以上推奨) メモリー:256Mバイト以上(512Mバイト以上推奨)
ビデオディスプレーカード:VRAM4Mバイト以上(24ビットカラー、1024×768) ビデオディスプレーカード:VRAM 4Mバイト以上(24ビットカラー、1024×768)
■combustionの機能と特徴

●ハイエンドマシーンを感じるインターフェース

 まずcombustionを使用して感じるのは、インターフェースの高級感だ(図3)。infernoやflameのインターフェースを縦承しているため、使用している自分がいかにも優秀なアーティストであるかのような気分にさせてくれる。
 大さく分けて、上部にビューポート、下部左がワークスペース、右側がオペレーターコントロールパネルとなる。ワークスペースでは合成するために取り込んだ素材やエフェクト効果などをすべて閲覧でき、ビューポートへの出力を切り替えたりすることができる(図4)。ワークスペースで選択された素材やオペレーターなどの情報は右側のコントロールパネルに表示され、必要なデータをカスタマイズする。
 ビューポートには複数のビューを表示させることができる。あらかじめ4つのビューレイアウト(図5)が用意されているので、必要に応じて切り替えて使用する。これらのビューにはいろいろな角度から見た10種類(図6)のビューを自由に割り当てられるので、合成前の画像と合成後の画像を同時に表示したりすることができる。


図3 combustionインターフェース

図4 ワークスペース
  
図5 4つのビューレイアウトが用意されており(左)、必要に応じて切り替えられる(右)

図6 10種のビュー
 
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ビデオアルファ2001年2月号