映像制作


◆編集ソフトが操作性を支配する◆

 ノンリニアシステムの善し悪しは編集ソフトに大きく左右される。操作性や編集能力の違いで、実際の編集作業での作業効率が大きく左右されるからだ。編集ソフトには、各種メーカーのビデオ入出力ボードに対応した汎用タイプと特定のボードでのみ使用できる専用タイプがある。専用タイプにはボードにバンドルされた完全な専用のものもある。
 汎用タイプで有名なのがAdobe Premiereなどだ。Adobe PremiereはMac版とWindows版があり、どちらでも使用できる。ビデオ編集だけではなく、マルチメディア用途でも使用できる非常に幅広い編集ソフトだ。少し前にバージョンが5.0になりビデオ編集での操作性が強化された。特にEDL出力が強化され、オフラインで使用するには心強いといえる。しかし、キャラクタージェネレーター(テロップ)機能が専用ソフトに比ベて弱いので、必要に応じてサードパーティ製のキャラクタージェネレータープラグインを使用する必要があるだろう。このほか、Windows用にはSpeed RazorMach4.0(4.5)やMedia StudioProなどがある。
 専用ソフトではTruevision TARGA1000/2000シリーズ用としてMac用にScitexのMicroSphere、Windows用にAvid MCXpressなどがある。また、TARGA2000RTXやMatrox DigisuiteやPinnacle ReelTime用としてDiscreet Logicのeditなどがある。これらは、専用ソフトということで金額も少し高くなるが、性能、機能面でも充実している。Avid MCXpressは上位機種のMedia Composerの流れを汲み、編集作業の操作性が良いし、EDLデータの出力も行えるので、オフラインとしても充分使用可能だ。Inscriber CGが用意されているので、テロップの制作も本格的に行うことができる。
 ScitexのMicroSphereはエフェクト効果で面白いことができる。これらが直感的にできるので、バラエティに富んだ演出ができるだろう。併せて、3次元DVEオプションを使用すればその効果は倍増する。以前は上位機種との関係か圧縮比に制限があったが、現在は全機種が3:1に統一されている。
 Discreet Logicのeditはデュアルストリーム対応のビデオ入出力ボードに対応したソフトウェアだ。変わったところで、3次元ソフトの3D StudioMAXのプラグインとしても使用することができるので、3D StudioMAXを使って、3Dとノンリニアを融合させることができる。
 特定のハードウェアにバンドルされた専用ソフトには、Media100やStrataSphere、MediaComposer、SoftimageDUSなどがある。
 Media100は発売当初から画質面で高い評価を受けていたため、業界ではAvidに次いで使用されている。最近は学校や病院などの業務レベルでの使用も多くみられ、操作感の良さがユーザー層を広げているのであろう。StrataSphereは先に述べたMicroSphereの上位機種で50レイヤーの1パス合成ができ、エフェクト類も充実している。直感的に操作でさるところが使いやすく、アート的な作品には断然向いている。
 MediaComposerは映像業界御用達といった感がある。操作性も良く、いままでに使われてさた実績がなによりも安心材料だろう。
 SoftimageDUSは編集から合成、MAまで1台でこなしてしまうターンキーシステムであるが、ソフトウェアは、編集、合成、オーディオが複合的に操作できるようになっている。ターンキーシステムとして金額も¥1700万ぐらいするが、それらの性能を考えるとコストパフォーマンスはいいのかもしれない。


Adobe Premiere5.0日本語版

Speed Razor Mach4.5

Ulead MediaStudio Pro5.0J


Avid MCXpress

Inscriber CGの操作画面。アニメーション機能をもつキャラクター作成ソフトウェア

Adobe After Effects3.1J
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